カシカの広瀬です。

大型機械のバーチャルショールームを作るというご相談をいただきました。当社は3Dモデル制作からWebサイト上への3Dデータ表示・AR表示までをスマートフォンのみで完結するサービス「カタチスペース」を提供していますが、こういった 「どうやったら作れるの?」といった漠然としたところからでも技術的なことや、コンテンツ制作面でのご相談を承ることができます。

大型機械は3Dモデル制作が大変

今回の相談では、クライアントのプロダクトラインナップの全てを3Dのモデル化、Webサイト上のバーチャルショールームに配置して、商談や見積依頼への導線を構築するというのが概要です。

通常、コンシューマー向けのECサイトであれば商品点数も多かったり、ライフサイクルも速いので写真での情報提供がまだまだ主流ですが、BtoBの場合は取引額も大きく、商談にも時間がかかったりするため、顧客にじっくりとスペックを確認してもらうための情報提供はとても重要です。

大型機械は受注生産だったりするものもあり、欲しいと思った製品の在庫が折よく倉庫に入っていればラッキーですが、そうでなければ特に外出が制限される昨今、Webサイト上で可能な限り顧客が必要になるであろう情報は用意していきたい ところです。

リアリティが必要

今回のご相談では3Dといっても昔のゲームのようなクオリティには落としたくない。とはいえ美麗に作り込まれたキラキラのグラフィックにするのではなく、きちんと現場で利用されるであろうリアリティが必要、というなかなかの難題。「クオリティや作り込みのレベルを上げればデータは重くコストは高く」と、これはどんなプロダクションに相談しても担当者の口からはチャットボットでも言えるような話しか出てこないところです。

3Dスキャンとカタチスペース

当社は実際のところプロダクションではございませんので提案としては一風変わったものとなります。まず3Dモデル化については 3Dスキャンという手法を使います。 これは専用の機材を用いて、実物をデジタル化して3Dのモデルにしてしまうというものです。

実物に特殊な光を当ててデータ化します

この手法のメリットはまず実物をデジタル化すること。これはいわゆる昔のゲームのようなローポリゴンのCGであったり、作り込まれた美麗な新品機械のような現実に存在しないようなものを作るわけではありません。実在するものをそのままデータとして取り込みますので、「リアリティ」そのものです。

実物の大型機械がそのままデータになります。リアリティそのもの

メリットその2は納期が早いこと。3Dモデルの制作は、作り込みのレベルや、対象の複雑度が上がれば上がるほど時間がかかります。クライアントからのフィードバックと修正を含めると最短1ヶ月なんて話もザラで、今回のように対象製品が多い場合はリニアに倍々に積み上がっていきますので、よほど大型の制作プロダクションのスケジュールを丸ごと押さえられない限りは全部揃うまで半年とかそんなタイムラインにもなりかねません。

一方3Dスキャンであれば撮影で1日、データのノイズ除去や整理で2〜3日あれば1モデルができてしまうのではという見積です。出来上がってくる3Dモデルは「実物」をデータ化したものですので、凝った演出のない「リアリティ」のあるCGとなります。

メリットその3はコスト面。作業時間が短いのですから、コスト面でも制作よりメリットがあります。対象となるものでも変わりますが、今回の大型機械では1体当たり80万円にてお見積差し上げました。CG制作したら1体120万以上といったところですので、約3割のコストダウンが可能な計算です。

そしてそのデータを「カタチスペース」上でホストするので、データの管理やバーシャルショールームを開発する際の技術的な課題(3DデータをWebサイト上で扱うのは結構大変なのです)の一切合切を手間なしでお任せいただけます。

工業製品の3Dスキャンデータってこんなレベルで取れるんです

CAD変換もやってます

工業製品のCG制作の手法として、最後に残されるのはCADデータからの変換です。これは昔から色々と課題は多いのですが、当社では提携のプロダクションもきちんとございますので、どうしてもCADから正確にデータを作りたいというご要望にもお応えすることができます。



ご相談はこちらから → バーチャルショールームを作ってみたい