カタチスペースを活用したデジタルアーカイブ。キノコの標本つくってみた。
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カシカ広瀬です。
学術目的や博物館等に向けた3Dスキャン+ARの相談が増えてきました。
私はこういった分野の仕事はおおよそ20年くらい前から取り組んだことがあります。京都の有名なお寺の所蔵品、特に美術的な価値の高い壁の絵や仏像をデジタルアーカイブして博物館シアター向けのコンテンツに仕上げる仕事ですが、当時は数億円かけた巨大プロジェクトでした。
今でもそのレベルでやろうとしたら数億かかるのは間違いなく、カタチスペースでこのような巨大プロジェクトと全く同じことができるとは言えませんが、似たコンセプトのことをもっと身近に・気軽・手軽に実現できるようになっています。
特にパンデミック状況の昨今では、人の密集度を下げながらオンラインで、どのように自分たちのアセットの魅力を伝えていくかに多くの人が知恵を絞っています。
ご参考例
サントリー山崎蒸溜所VRツアー
これはマターポートというシステムを使ったものです。企業ミュージアムをデジタルコンテンツ化してオンライン公開しています。
カタチスペースでデジタルアーカイブしてみた カタチスペースの魅力はなんといっても3D+AR制作からアウトプットまでの手軽さです。制作もスナップ写真感覚、Web公開まで全自動と、「とりあえず一回やってみようか」とアクションを起こしてみるのに最適です。
私は専門家ではありませんが3Dのデジタルアーカイブに何が向いてるのかな?と少しアイデアを出して個人的に試してみました。
第一弾はキノコです。
私たちが普段キノコと呼んでいるのは「子実体」という植物でいう花的なものです。こいつは野外でみかけると非常に美しくてめちゃくちゃ所有欲に駆られるのですが、残念ながらその形状の保存には全く適していなくて、持ち帰っても数時間でしおしおにしおれ、種類によっては水分を放出して自己崩壊に至り、その美しい姿は見る影もなく溶け去ってしまいます。
せいぜいこうやって写真で記録しておくくらいですね。著者撮影テングタケ。2019年9月、青森。 博物館などでは乾燥した色も褪せてしまったキノコの標本を展示してますね(これはこれで価値あるものです)。
でもキノコの美しくも生々しい色や形を維持できるとしたら?デジタル、3Dならできるのでは?と思ってやってみました。
オー、マジェスティック!
スーパーで買ったエリンギが突如としてリビングの床に屹立する雄姿をご覧ください(本物は食べちゃいました、これCGだよ、念のため)。形状保存の難しいキノコが、そのリアルな姿をデジタルで保っています。今度から山でキノコを拾った方はカタチスペースでその場で、その日のうちに3Dスキャンアーカイブすることをお勧めします。いや、むしろカタチスペースを片手にキノコ狩りに出かけるべきでしょう。
AR、3Dデータの確認はこちらから
傘の裏側のヒダまで綺麗にデータ化 続いてシイタケです。いいですね。傘の裏側のヒダまで綺麗にデータ化できています。
実際に3Dデータをご確認いただく場合は以下。
秋田県産 近所のスーパーで138円(税抜) サイズが小さいのを若干懸念していましたが、このサイズでもモデル化できるのですね。
少し実務レベルに落とし込んでみましょう。
例えば既に標本やサンプルのデータベースか何かで管理している場合は、コメント欄などにカタチスペースのURLを記載しておくとよさそうです。外部公開しない設定にしておけば撮影者のみが確認できます。
外部に公開を考えている場合はカタチスペースを埋め込んだURLを公開ページに表示されるようにするだけで、3D+ARで気軽に対象物を観察できるサイトができてしまいます。
新しく何かを立ち上げるのではなく、既存のものにプラグ&プレイで追加できてしまうのもカタチスペースの大きな魅力の一つです。
年度末を控え、何か有効なご予算の用途をご検討の方。ご研究のアウトリーチやデータ整理、標本のデジタルアーカイブのご相談等承りますのでお気軽にご相談ください。
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