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glTFフォーマット完全ガイド: 3Dモデル配信の新しい標準

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こんにちは、カシカの奥です。 今回は、3Dコンテンツ配信における新しい業界標準として注目されている glTF(GL Transmission Format について詳しく解説します。WebGLを使った3Dアプリケーション開発や、AR/VRコンテンツ制作において、glTFの理解は必須となっています。 目次 glTFとは glTFの特徴 ファイル構造 JSONメタデータ バイナリデータ テクスチャファイル glTF 2.0の改良点 実装例 Three.js での読み込み Babylon.js での読み込み 拡張機能(Extensions) さらに高度な物理ベースレンダリングパラメータの対応 物理エンジンへの対応 3D Gaussian Splatsとの統合 まとめ glTFとは glTF(GL Transmission Format) は、Khronos Groupによって開発された3Dシーンとモデルの伝送フォーマットです。「3DのJPEG」とも呼ばれ、効率的な3Dコンテンツの配信を目的として設計されています。 2015年にバージョン1.0がリリースされ、現在はglTF 2.0が標準として広く採用されています。 主な設計目標 コンパクトなファイルサイズ: ネットワーク転送に最適化 高速な読み込み: 最小限の処理でGPUに送信可能 相互運用性: 異なるプラットフォーム間での一貫した表示 拡張性: 新機能を追加できる柔軟な仕組み glTFの特徴 1. 効率的なデータ構造 glTFは、従来のFBXやOBJといったフォーマットと比較して、以下の点で優位性を持ちます: ファイルサイズの削減: FBXフォーマットは独自のバイナリ形式で、メタデータが冗長になりがち OBJフォーマットは可読性は高いが、同じデータが重複して記述されることが多い glTFは階層的な参照システムにより重複データを排除し、同じメッシュを複数の場所で使用する場合でもデータは一度だけ保存 読み込み速度の向上: 従来フォーマットでは読み込み後にGPU用フォーマットへの変換処理が必要 glTFは頂点データがGPUバッファに直接コピー可能な形式で格納され、CPU処理時間を大幅に短縮 メモリ効率: 頂点データが配列形式で連続的に格納され、メモリ断片化を回避