目次
こんにちは、エンジニアの池田です。この記事では、以下の内容を紹介します。
- AIコーディングとは?
- 本記事で対象とする環境
- 昨今のAIコーディング動向
- Windows上でClaude Codeを使うということ
- Claude Code導入手順
- Claude Codeを使ってみる
- まとめ
1. AIコーディングとは?
AIコーディングという言葉には、明確な定義があるわけではありません。本記事では、近年のAI開発競争の中で登場したプログラミングに特化したAIと、人間が協調してコードを書くことをAIコーディングとよぶことにします。
2. 本記事で対象とする環境
筆者はWindowsユーザーであるため、ツールの導入方法や操作手順などはすべてWindowsを前提に解説します。近年のAIツールの多くはLinuxやMacOSとの親和性が高く、Windows対応が後回しになることも多いため、Windows環境での情報はまだまだ貴重です。
YouTubeやブログでもWindows向けの情報は少なめなので、WindowsでAIコーディングを始めたいという方はぜひ本記事を参考にしてください。
3. 昨今のAIコーディング動向
最近のAIコーディングを、以下の4つに分類して紹介します。
- ブラウザ完結型
- API接続型
- エディタ型
- MCP型
ブラウザ完結型
- ローカル環境の設定が不要でOSを問わずすぐに試せる
- 基本的にすべての処理がサーバ側で動作するためローカル環境はスマホでもOK
- 定額制のサービスが多く使いすぎを意識せずに利用可能
例:ChatGPT Codex、Claude Code GitHub Actions
ChatGPT Codex等が最近ではコンテナを用いた自動ビルドに対応しており、ビルドエラーを検出して修正まで試みるといった機能も登場しています。
ただし、高性能な機能を使用するには、有料プラン(例:ChatGPT Pro等)に加入する必要があるため、誰でも気軽に使える、という段階にはまだ達していません。
人間はスマホだけ見て、あとはすべてAIが自動対応というシナリオではこの用途が主流になりそうな印象です。
API接続型
- エディタ上でAIによるリアルタイム編集が可能
- Visual Studio Codeのような既存の開発環境に統合して使用することができるため、試用しやすい
- APIを使用する方式のため、かかる料金は使った分だけ ※Claude Codeは複数の料金体系から選択可能
エディタ拡張型の場合、基本的にはAPIアクセスキーを初回に入力して、これを通じてAIによる分析やコーディングを提供します。拡張機能部分はエディタが開いているファイルや、選択状態をAIに提供します。
シェル型は現在Claude Code一択になります。Claude Codeは薄いエディタ拡張機能とシェルの組み合わせで動作します。月額プランを契約している場合はAPI接続ではなく、月額プランの方で使用することも可能です。
シェル型例:Claude Code
API料金は従量制が一般的なため、大規模なコードの改修など使用量が増えるとコストも増加します。導入の際はあらかじめ予算を決めておくと安心です。
エディタ型
- エディタに統合されたAIの強力な開発サポート
- 単にAPIをたたくだけでなく、途中で検索などAPI接続以外のAI作業を行うことが可能
- 最新情報の反映など情報を広く使用した開発ができる
エディタ型は、Visual Studio Codeをフォークしたものが一般的です。エディタが強くAIと連携しているので、積極的にAIが介入して開発を進めることができるようになっています。 自動で開発している感覚はこちらの方が強いように思います。 エディタ提供会社の月額プランを契約して使用する方法に加えてAPI接続型としても使う方法が選択できます。
昨今話題になる バイブコーディング とよばれるものも、話題の中心はエディタ型が多いように見受けられます。
MCP型
- MCP自体が成長中ながら、現時点でも様々なツールとの連携が実現されている
- AI対人間の関係性から、AI対OS、AI対ソフトウェアの関係を実現できる技術であり
- ファイル検索や機械的な処理などAIである必要がないことをローカル処理に任せられる
MCP(Modular Command Proxy) は、AIが特定の外部コマンドや処理を呼び出せるようにする仕組みです。 Claude Desktopはこれを使用する機能があり、AIからMCPを介して「A.txtを検索して」などと指示するだけで、ローカルPCでファイル検索やコマンド実行が行えるようになります。
AIと従来のシステムを組み合わせ、思考(AI)と作業(MCP)を分離できる点が特徴です。この仕組みはまだ発展途上ではありますが、ローカルPC上でできる処理はローカルで完結できるため、コスト面でも安定させやすいかと思います。
4. Windows上でClaude Codeを使うということ
Claude CodeとClaude Desktopの違い
Claude Codeと似たような単語としてClaude Desktopがあるため、ここで違いをまとめておきます。
Claude Code | Claude Desktop | |
---|---|---|
操作方法 | シェル | GUI |
導入方法 | npm install | インストーラ |
複数同時起動 | 〇 | × |
機能の自由度 | シェルでできること全般 | 基本はブラウザと同じ。MCPで拡張可能 |
コスト | API従量課金 or 月額 | 月額 |
Windows対応 | ×(WSL2ならOK) | 〇 |
なぜWindows上でClaude Codeを動かすのか?
上記表のとおり、Windows上でのClaude Code動作はWSL2経由となっており、ネイティブに動作しません。
ではなぜ、そんな状況でもWindowsでClaude Codeを動かすのか? 弱点を補って余りあるメリットを説明します。
理由1:複数同時実行が可能
Claude Desktopは1インスタンスのみしか実行できず、別のチャットに移ると処理が裏で止まっているなど並列実行には問題があります。
一方でClaude Codeはシェル単位で独立して動作するため、1台のPCで複数のプロジェクトを同時に開発させることも可能です。
理由2:定額でClaude Codeが使える
こちらの記事にある通り、現在Claude Codeは、APIトークンを用意しなくても、Claudeの月額プランアカウントの連携で使用できます。使いすぎの心配をせずに処理を回せるため、料金が気になる個人開発者の方や、企業のPoC活動で実験導入している場合には助かるオプションではないでしょうか。
理由3:Claude Codeにはトークン使用量を抑える機能がある
こちらの説明にある通り、Claude Codeはコンテキストが大きくなってきたときに /compact という機能をデフォルトで使用するなど、トークン使用量の削減に気を使っています。
この機能と関係があるかは不明ですが、Claude Desktopでは頻繁にLimitとなる作業環境でも、Claude Codeで作業をしているとより長く処理が続けられる印象です。(これについては気がする、レベルの話です。)
WindowsでのClaude Code動作に関する前提の話
では早速導入!と行きたいところですが、WindowsでClaude Codeを使う場合には意識する必要がある点があります。前提を軽く共有します。
- WindowsにおいてClaude CodeはWSL2上で動作する。(2025年6月19日現在)
- Windowsに直接Claude Codeをインストールする方法は、現状公式に存在しない。
- Windows上のVisual Studio Codeが直接Claude Codeを呼ぶのは不可能(WSL2経由)
- Claude Code拡張機能は、Claude Codeがある環境にインストールされる
- つまりWindowsのVisual Studio Codeには、Claude Code拡張機能はインストール不可
ではどうすればいいのか?
→ WSL2側でVisual Studio Codeを動かそう!
5. Claude Code導入手順
お待たせしました。こちらが導入手順です。
1. WSL2で、以下コマンドを使ってClaude Codeをインストール
※パーミッション関連のエラーが出た場合は、こちらの手順を試してみてください。
セキュリティの観点から、sudoによる実行は非推奨です。
npm install -g @anthropic-ai/claude-code
2. WSL2で claude-code.vsix を探す(拡張機能のインストールファイル)
このファイルは、claudeコマンドをインストールした場所の配下に一緒にインストールされています。基本的にはnpmのnode_modules配下に入っているはずで、私の場合は以下に入っていました。
/home/[ユーザ名]/.npm-global/lib/node_modules/@anthropic-ai/claude-code/vendor
├── claude-code-jetbrains-plugin
├── claude-code.vsix <============= これ!!!!!!!
└── ripgrep
3. WSL2でインストールコマンドを実行
※Windows側で、WSLパッケージのインストールが必要です。
インストールできたら、WSL2に戻って以下のコマンドを実行して下さい。
code --install-extension claude-code.vsix
4. WSL2側でVisual Studio Codeを開く
WSL2側で、Visual Studio Codeを開いてみましょう。以下のコマンドを実行するとその場で開けます。
code .
成功していれば、Claude Code拡張機能がインストールされ、以下のような表示になります。
Windows側のVisual Studio Codeではなく、WSL2側へのインストールになります。
5. 起動してみる
拡張機能が正しく入っていると、各タブの右上にClaudeマークが表示されているはずです。これをクリックしてみましょう。
するとターミナルが立ち上がり、ウェルカムメッセージが表示されます。
🎉 おめでとうございます!Claude Codeを使う準備が整いました👍👍👍
※初回利用の場合
初回利用時にはこの段階でプライバシーポリシーへの同意画面と、続けてAPIトークン入力またはClaudeのアカウント連携を促すメッセージが表示されます。
APIの従量課金ではなく定額プランを使用する場合は以下の画面で、Claude account with Subscriptionを選択しましょう。
API利用の課金をしなくても、Claude Codeが使えます。
注意
この方法では全ての処理がWSL2内で行われるため、一部使いづらい部分があります。
- sshキーなどWindows側で管理している情報との連携は面倒 → なるべくWSL2側で完結させましょう
- Windows File SystemとWSL2間のファイルアクセスは低速 → なるべくWSL2側の環境で作業しましょう
6. Claude Codeを使ってみる
それでは実際に使ってみましょう。今回はWebブラウザ上で動くオセロゲームを作ってもらいます。以下のプロンプトを最初の一回だけ入力してみましょう。
一人用のオセロゲームを作ってください。
npmを使用したブラウザアプリで、人間が入力→コンピュータが入力を繰り返します。
テストはnpmで行ってください。
エラーが発生したら修正し、正しく動作するまで修正を繰り返してください。
必要なnpmパッケージは適宜インストールしてください。
入力してEnterを押すと、処理が始まります。Claude Codeは自分である程度手順を決めて、それを順番に実行してくれます。
実行中何度か、安全ではないコマンドを実行しようとしているとき「このまま進めて良いか?」を問うメッセージが表示されます。 この時、以下のような目安で選んでください。使ってみるだけであれば、Yes~の物を選べば自動で最後まで進む様子が見られます。
- Yes: 一回だけ許可
- Yes ~: このチャット中は常に許可
- No ~: 聞かれたコマンドの実行は許可せず、別の指示を出す
今回の場合は12分ほど待つと処理が完了し、指示された通りにコマンドをたたくと、実際に遊べるオセロゲームが完成していました!!(本当にすごい)
7. まとめ
本記事では、AIコーディングの分類と実例を中心に、以下の点を紹介しました:
- AIコーディングの概要
- AIコーディングを実現する選択肢の紹介
- Windowsユーザー向けのClaude Code導入方法
良いAIコーディングライフをお過ごしください!!
弊社ではAIを活用した開発環境の構築や業務効率化にも取り組んでおります。
AI導入やツール選定に関するご相談も承っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。